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君のいない世界
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I.N.A.さんの「君のいない世界」読了。先日仕事で行った世田谷ものづくり学校にI.N.A.さんのスタジオがあり、そこの壁にこの本のポスターが貼ってあったのを見て購入。あっという間に読み終わったけど、本当にこの本に出会えて良かった。偶然の導きに感謝。


I.N.A.さんはhideの共同プロデューサーでもあり、一番近くでhideの楽曲制作に携わってきた人。この本の大半は「HIDE YOUR FACE」と「PSYENCE」という2枚のアルバム制作における詳細な過程に費やされているのだけど、このアルバムたちをちゃんと聴いていた人なら絶対に心底楽しめる本だと思う。難しい音楽用語もちゃんとI.N.A.さんが分かりやすく書いているし、あの曲のあの部分にはそんな仕掛けがあったのかとか、この歌詞にはそんな出来事が影響を及ぼしていたのかとか、知らなかったエピソードがたくさん散りばめられている。この本を読んだ後にまたアルバムを聴くとさらに深く豊かに響くし、もはやこの本の内容も作品の一部と思えるくらい。


I.N.A.さんの証言から、2人がやっていた音楽制作の行程がいかに当時の日本の、いや世界の音楽シーンで時代を先取りしていたかも理詰めで理解できるし、肌身で感じたあのアルバムたちの面白さの理由がロジカルに補完されていくのも本当に面白い体験だった。


その一方でこの本は、I.N.A.さんという一人の音楽家自身の成長譚でもあり、hideという親友と過ごした日々の青春物語でもあったりする。そして、ロックスターとしてのhideしかほとんど知らない我々のようなファンにとって、人間・松本秀人(と、怪獣ヒデラ・笑)のことを、実際にそばにいる友達のように感じることのできる稀有な本にもなっている。本当に本当に、hideに少しでも影響を受けた人には全員読んでほしいと思うくらいにオススメです。


I.N.A.さんに、素晴らしい本を書いてくれてありがとうございますと感謝の気持ちを伝えたいです。


by rin_magazine | 2018-12-15 18:53 | 読んだ本の感想 | Comments(0)


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