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拝啓、三浦銀二くん
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​ 福大大濠の野球部に三浦銀二君というエースがいる。初めて試合を見たのは昨年秋の県大会準決勝、筑陽学園との試合だった。その試合では勝ったものの5点くらい取られており、さほど印象には残らなかった。しかしその後九州大会を制し、春のセンバツに出場。近所のよしみで息子と一緒に甲子園まで応援に行った。そのときに見た滋賀学園との延長15回の引き分け再試合の投げっぷりが心に残り、気が付けば自分たちは三浦君のファンになっていた。

 夏の甲子園も予選で4回戦と決勝の応援に行った。決勝で東筑に敗れて出場叶わなかったが、その後U18のメンバーに選ばれて、今カナダで行われているワールドカップに出場している。しかしこの大会では監督の信頼を勝ち得なかったのか登板機会に恵まれず、予選突破が決まった後の消化試合である南アフリカ戦で投げたのみローテーション的にも決勝進出がかかった韓国戦で投げるかと思っていたのだが、先発はそれまで中継ぎで連投していたまさかの秀学館・田浦君…。案の定疲れが見える田浦君は打ち込まれ、結局韓国戦には負けた…。田浦君云々より、偏った選手起用で無策無能の小枝監督に物申したい気持ち。なぜそこで連投の田浦君なんだよ、日本代表として選ばれた他のメンバーをもっと信用しようよ、と。

 そして昨日深夜、3位決定戦という最終試合でようやく三浦君に先発のチャンスが回ってきた。三浦君のピッチングは初回から完璧だった。伸びのあるストレートと、キレのあるカーブ&スライダー。何より正確無比なコントロール。キャッチャーの構えたところに寸分違わずズバズバと白球が突き刺さっていく。俺は、心の底から感動していた。どうだ、見たか! これが三浦銀二だ。大濠の、俺たちの、三浦銀二なのだ! 気が付けば7回12三振、被安打3失点0の完璧な投球。日本代表は見事銅メダルを獲得した。韓国戦で投げさせてもらえれば…という小枝監督への恨みつらみは消えないが、それはあくまで結果論でしかない。とにかく彼が、監督に信頼されなかった冴えない投手のまま終わるのではなく、自分の持てるチカラを存分に出し切って、誰もが納得いく結果を残して、高校野球最後のマウンドを降りることができたことが、本当に嬉しかったのだ。

 三浦君、君は知らないだろう。三浦君のおかげで、高校野球観戦という共通の趣味ができ、何度も球場まで足を運び、毎週末キャッチボールもするようになり、甲子園まで旅行に行った親子がいることを。小4の息子は、夏の大会の決勝、敗れた後にベンチ前で古賀君とキャッチボールをする君の姿を見て涙を流していた。昨日のカナダ戦も、夜中に起きて一緒にパソコンを見ながら応援した。イヤホンを片方ずつシェアして観たことも、いつか良い思い出になるだろう。高校は大濠に行きたいといっている。君の魂のピッチングには、人の心を動かす何かがある。君のピッチングに触発されて、こんな風に絆が深まった親子がここにいる。もし高校の近くで偶然でも見かけたら、そのことを伝えたいと思う。引かれるかもしれないが…。三浦君はプロ志望届は出さず、大学へ進学するらしい。いずれはプロにも行くだろう。いずれにしても、どこにいっても、君の野球人生を生涯応援し続けることを、ここに誓います。今日のカナダ戦のピッチング、一球一球に魂がこもっていて、本当に最高だった。心を突き動かされました。ありがとう。そして、3年間の高校野球生活、本当にお疲れさまでした。

by rin_magazine | 2017-09-11 23:52 | 日々のできごと | Comments(0)


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