つじあやのさんの最新アルバム『虹色の花咲きほこるとき』を、一足先に聞かせてもらっています。とてもとても、良いアルバムです。過去何度か取材をさせてもらい、あの柔らかな人柄や音楽とは裏腹に、とてもパンクな一面を内に秘めた方という印象があるのですが(非常に京都的な。くるり岸田さんにも通じる類の)、そのパンクな一面がむき出しになっているように見えます。もちろん、サウンドがパンクな訳ではなく、あくまで精神的な意味合いでのことですが。一番変わっているのは、いつになく声を張り上げて歌っていること。今回はメッセージソングアルバムと銘打ってますが、伝えたいこと、届ける相手が明確であることで、声も音も輪郭がはっきりして強度が増している印象です。今回、笹路正徳さんがプロデュースしているようですが、そういわれたら確かにスピッツの作品とかを想起させる一面もありますね。
余談ですが、ちょっと前に一緒に飲んだ友達Eちゃんがこういうことを言ってました。「何組かアーティストが出るライブイベントで、スピッツが終わった途端に帰る女性ファンがすごく多い。ああいうのが一番好かん。だって、それを見て一番悲しむのはスピッツやん」と言っていました。激しく同意! 今回のつじさんのアルバムは、そういう、スピッツが終わったら帰ってしまうようなタイプの女子に聴いてほしいなーと思います。ギャフンと言わせたい。