毎週水曜の朝にテレビで機関車トーマスをやっていて、欠かさず録画している。佳維はトーマスが大好きで、飽きもせずに同じものを何度も何度も繰り返し見ていて、セリフまで覚えているくらいだ。
しかし僕は、そのテレビの影響で、トーマスというやつに大いに疑惑の念を抱いている。それまでのトーマスに対するイメージは、優しくて働き者の正義の味方、みんなから愛される優等生。日本でいうところのいわゆるアンパンマン的な、子どもたちのアイドルだとばかり思っていたのだ。多分みんなもそうだろう。
ところがである。この機関車トーマスとかいうやつ、実は相当にだらしがないというか、自分に甘いというか、できれば子どもたちにこんなやつにはなってほしくないな〜と思ってしまうようなテキトーなやつであること、皆さんご存知ですか? いやもう、実際そうなんです。いいやつには違いないんだけど、ちょっと思い込みが激しいところがある。例えば、オーナーのトップハム・ハット卿が忙しい時、トーマスは彼に負担をかけまいと他の機関車にいろいろと指示を出すのだが、ことごとくその指示が的外れだったり。例えば、大事な貨物の輸送を頼まれているのに、雨が降ってできた水たまりを突っ切るのが楽しいからといって、何度も何度も寄り道をした挙げ句、その貨物をびしょびしょにしてしまったり。さらには姑息な手段でその失態をもみ消し、トップハム・ハット卿の目を欺こうとまでするんですよ。おーい、トーマス!本当にそれでいいのかよ。
しかしどういうことか。そのせいで僕はすっかりトーマスから目が離せなくなっている。道徳心など無視したかのような奔放さと節度のなさで、我々一般視聴者をあざ笑う彼の所業に、まんまとのめり込んでしまっている。この想いを共有できる人と会ってみたい。トーマスは、危険である。