第59回宣伝会議賞のグランプリは、
でした。
宣伝会議4月号に掲載されたファイナリストコピーの中で、前園は完全にこのコピーに一目惚れしました。65万近い中からファイナリストに勝ち残った誉れ高き24本のコピーの中でもなお、明らかに燦然とした輝きを放っているように見えました。間違いなくこれがグランプリだと、もしこれをグランプリに選ばなかったら審査員はモグリだと思うくらい(※あくまで個人の感想です。谷山さんすみません笑)、確信に近い感情を覚えました。キャッチーでチャーミングで伝わりわすく、聴く読書の特徴を的確にとらえていて、思わずにっこりとしてしまう。人を笑顔に、幸せにするコピーだと思います。そして、サービスの内容と相まって実に同時代的な“今”のコピーだとも思いました。
コピグラ仲間が贈賞式を席巻。
3月10日。仕事を終えてからYoutubeにアクセスし、すでに配信終了していた贈賞式の映像を見ました。事前情報は完全にシャットアウトして、何も知らないフラットな状態で見始めました。協賛企業賞には、日頃から切磋琢磨しているコピー仲間がたくさんいて、ミーハー心満載で眺めます。ローラー!ジャック!むーむー!みたいな(呼び捨てですみません笑)。
そしてファイナリストの発表です。4月号にはコピーしか載っていないので、この場で初めて、誰が書いたかが判明します。むーむーとジャックはここでも現れます。もはや驚きません。完全に麻痺しています。そして、イチ押しの伊豆の踊り子を書いたのは、何と宮崎響さんでした。「マジかー!」と…もうこの時点ですでに自分は嬉し泣きしそうでした。一目惚れしたこのコピーが、まさか宮崎さんのだったなんて…涙。
hibikimさんという人。
宮崎さんは、今回イー・スピリットの課題でも協賛企業賞を受賞されています。普段はhibikimという名でTwitterをされていて、ZOOM飲みで何度かお話をさせていただいたことがありました。本名は存じ上げなかったのですが、協賛企業賞で4月号に掲載されていた写真を見て「あ、hibikimさんだ!」と気付き、先日DMでお祝いのメッセージを送らせていただいたばかりでした。写真ですぐ分かったのには理由があります。宮崎さん、ちょっと眞木準さんに似てらっしゃいませんか?実はZOOM飲みのときにそんな話もさせてもらったのですが、宮崎さんはずっとそのことを覚えていらしたそうなんです。
DMでは、「初めて前園さんにお会いしたあの日から、心の片隅で眞木準さんを意識させられるようになりました(笑)。本当に人って何気ない一言で変わるものなんだなとつくづく思います」と綴ってくださいました。そんな些細な会話も大切な瞬間として受け止めてくださる細やかな感性、謙虚なお人柄を実感したばかりだったので、この大好きなコピーを書いたのがhibikimさんだと分かったときには、本当に我がことのように嬉しかったのです。
そして、発表の瞬間。
グランプリ発表の瞬間、谷山さんの「それではお聴きください…」が聞こえたときに、ほらそうでしょう?と思わずガッツポーズ。カメラが両手で顔を押さえ涙ぐむ宮崎さんを捉えたときに、思わず自分ももらい泣き。言葉にならない感情が溢れました。そして続く宮崎さんの受賞スピーチ。今こうしてブログを書いてる間も、じんわりと涙が滲んできます。忘れたくないので、文字起こししました。
「この度は本当に栄誉ある賞をいただきありがとうございます。毎年宣伝会議賞に挑戦させていただいて、今までは3次通過までが最高だったんで、1個でも上へという風に思いながら、協賛企業賞の連絡をいただいた時本当に嬉しくて、それで十分だと思っていたんですけど、まさかファイナリストのご連絡もいただいて、さらにこんな結果を迎えることができて、本当に嬉しいです。ありがとうございます。
毎年宣伝会議賞が始まると、協賛企業様の商品であるとかサービスであるとか、使えるものは使ってみて、自分の実感で書きたいというのがあるんですけども、今回受賞させていただいたオトバンクさんのオーディオブックに関しては、試聴させていただいただけでそのサービスに込められている想いとか、社員の方の商品にかける熱意が伝わってきて、すごく信頼できる商品だなと思っていまして。これだけ自分が信じられる商品なんだったら、商品の入り口までチャーミングな言葉でユーザーの方を導いてあげたらキャッチコピーになるんじゃないかなと思って作ったコピーでした。
また、例年はコピーを書く時間というのは凄く孤独な時間だったんですけども、今回協賛企業賞を受賞されている密山さんを中心にコピーライターの横のつながりをすごく広げていただいて、共にコピーを一緒に考える仲間がたくさんできたことがすごく宝で、楽しみながら今年の宣伝会議賞は取り組むことができました。
いつも会社で支えてる仲間、家族も含めて、本当にいろいろなところで、いろいろなファミリーに支えられて今ここに立たせていただいてます。今日の想いを忘れないように、尊敬と感謝の気持ちを忘れずに、これからもコピーライティングを続けていきます。ありがとうございます。」
いちばん言葉に愛された人。
ダメだ…やっぱり泣いてしまう。何なんだろう一体、この感情は。こんなに純度の高い言葉に出会えることって、そうそうないと思うのです。hibikimさんのTwitterプロフィール名に掲げられた「謙虚に、やさしく、強く。」という言葉。この言葉通り、本当に真摯にコツコツと、そして強い信念を持ってコピーに取り組んでこられたことが、あのスピーチからすべて伝わってきたのです。第59回宣伝会議賞のコピーは、「今年、誰がいちばん言葉に愛されるか」。まさに“言葉に愛される”に相応しい姿勢を持った人が頂点に立ったから、こんなに感動するし、心から嬉しく思えるのだと思います。そしてその姿勢は、決してhibikimさんだけの特別なものではなくて、必死に取り組んだ人にとっては少なからず身に覚えのある感覚だと思います。だからこそ、希望でもあるのです。
改めてhibikimさん、グランプリおめでとうございます。そして、贈賞式まで上り詰めた密山さん、むーむーさん、ジャックさん、黒柴ハグさん、中田さん、永田ながさん、ながたともこさん、飯島さん、みよしさん、まるやまさん、タイシンガーさん(Twitterつながりの方だけでもこんなに!)、本当にリスペクトです。ここまでたどり着くことはできなくとも、ともに同じ目標に向かって努力してきたコピ友の皆さん、まさにhibikimさんが“宝”だと語ってくれた仲間たちのおかげで、自分自身も悔いなく宣伝会議賞に取り組むことができました。本当に感謝!そして贈りびとさん、衝動で静岡から東京の祝勝会に駆け付けるあなたが好きです笑。みんな凄いですよ本当に。
ということで、前園もまだまだこれから研鑽を積んで、いつかあの場に立てるよう、これからも言葉と向き合っていきたいと思います。謙虚に、やさしく、強く!